こんにちは! ドリブラーの藤本みどりです!!
Mリーグ2024–25シーズンも中盤戦。12月17日時点で108試合が終了しました。今シーズンのレギュラーステージは全216試合なので、ちょうど半分ですね!
この記事では、私が独自にシミュレーションして算出した、各チームの優勝確率などのデータを公開します。
この記事は連載記事で、レギュラーシーズンを36試合ごとに第1部〜第6部に等分し、各部が終了するごとに投稿しています。
各部の日程は次のとおりです。
- 第1部:2024/9/16〜2024/10/15(#1〜#36)
- 第2部:2024/10/17〜2024/11/15(#37〜#72)
- 第3部:2024/11/18〜2024/12/17(#73〜#108)
- 第4部:2024/12/19〜2025/1/24(#109〜#144)
- 第5部:2025/1/27〜2025/2/25(#145〜#180)
- 第6部:2025/2/27〜2025/3/28(#180〜#216)
Part 3(この記事)では、第3部終了時点のデータを掲載します。
↓関連記事↓
Part 1
Part 2
Part 3(イマココ)
Part 4
(2025年1月24日以降に公開予定)
Part 5
(2025年2月25日以降に公開予定)
Part 6
(2025年3月28日以降公開予定)
計算方法
優勝確率などの数値は、未完了試合にランダムに生成した最終スコア*1を当てはめるシミュレーションを繰り返して算出します。
ランダムに生成される最終スコアは、4人の最終持ち点*2がそれぞれ同じ正規分布*3に従うという仮定のもとに生成されています。
なお、ここで仮定した正規分布は実際の最終持ち点の分布とは性質が異なることがわかっています。例えば、ランダム生成した最終持ち点でトップが80,000点以上を獲得する確率は0.0027%であり、実際のMリーグの結果と比較すると著しく低いです。
最終持ち点のランダム生成の過程は下の記事で書いています。
また、このシミュレーションでは条件戦を考慮していないので、各ステージ終盤の最終持ち点分布も実際と異なるはずです。
具体的にはこの記事で言及しています。
このように、麻雀というゲームの性質に由来する最終持ち点の偏りが存在するため、このシミュレーションで得られる数値の信頼性はそれほど高くないと思われます。
それでもいいよという方は続きをご覧ください。
計算結果
ここで表示するのは第3部終了時点、すなわち2024年12月17日の試合終了時点の数値です。
#Mリーグ 12/17(火)試合結果
— Mリーグ/プロ麻雀リーグ (@m_league_) 2024年12月17日
1⃣試合目
1位 浅見(ドリブンズ)+58.7
2位 日向(ABEMAS)+8.8
3位 高宮(麻雀格闘倶楽部)▲15.3
4位 瑞原(Pirates)▲52.2
2⃣試合目
1位 白鳥(ABEMAS)+61.1
2位 園田(ドリブンズ)+19.1
3位 優(Pirates)▲23.8
4位 寿人(麻雀格闘倶楽部)▲56.4
▼見逃し視聴はこちら!
108試合が終了し、全チームの消化試合数が48で揃う記念すべきタイミングです。
計算結果を見る前に、チームスコアの推移を確認しましょう。
第3部は、前半は上4、中2、下3の構図が続きましたが、後半は麻雀格闘倶楽部とサクラナイツの失速とABEMASの復活が目につきます。
現時点でのチームスコアランキングは次のとおりです。
一番右の列は、第3部*4期間中の増加量です。
順位 | チーム名 | チームスコア | 第3部の増加量 |
---|---|---|---|
1位 | ドリブンズ | 771.2 | +365.8 |
2位 | フェニックス | 538.5 | +163.2 |
3位 | Pirates | 341.9 | +108.2 |
4位 | 麻雀格闘倶楽部 | 38.4 | -170.1 |
5位 | 雷電 | 6.3 | +5.3 |
6位 | サクラナイツ | -135.5 | -98.1 |
7位 | ABEMAS | -382.3 | +7.8 |
8位 | 風林火山 | -465.2 | -140.2 |
9位 | BEAST | -733.3 | -241.9 |
上位3チームは第3部だけで3桁のプラスを記録しました。特にドリブンズの+365.8 ptは他を圧倒し、首位を一度も譲りませんでした。
厳しかったのが麻雀格闘倶楽部。第3部後半の失速が祟り上位集団から脱落してしまいました。
中位は、雷電が0 pt付近で現状維持していますが、対象的にサクラナイツはトータルスコアがマイナス3桁に突入しました。
下位3チームで踏ん張ったのがABEMAS。最後5半荘で第3部前半の負債を返し切り、勢いがあります。
風林火山とBEASTにも各々瞬発的に調子がいい時期はありましたが、長く続きませんでした。
順位確率
では、計算結果の発表に移ります。
各チームが各順位になる確率(順位確率と呼ぶことにします)は以下のとおりです。
また、この表をもとにグラフを2つ作りました。
目立ってしまうのがBEAST。ついに最下位確率が50%を超えてしまいました。
また、麻雀格闘倶楽部、雷電、サクラナイツのグラフは裾野の広い山型で、今後の展開次第で上位にも下位にもなり得る立ち位置だと言えます。
優勝確率
優勝確率の推移は下のグラフの通りです。
まだまだ変化が小さいですが、第2部と比べるとチーム間の差がわかりやすくなってきました。
続いて、現時点での優勝確率ランキングです。
一番右の列は、第3部*5期間中の増加量です。
順位 | チーム名 | 優勝確率 | 第3部の増加量 |
---|---|---|---|
1位 | ドリブンズ | 32.2% | +10.9% |
2位 | フェニックス | 23.1% | +2.8% |
3位 | Pirates | 16.8% | +1.0% |
4位 | 麻雀格闘倶楽部 | 9.1% | -6.0% |
5位 | 雷電 | 8.4% | -1.3% |
6位 | サクラナイツ | 5.8% | -3.1% |
7位 | ABEMAS | 2.4% | -0.6% |
8位 | 風林火山 | 1.7% | -2.1% |
9位 | BEAST | 0.4% | -1.6% |
首位ドリブンズの優勝確率は第3部だけでおよそ1.5倍になりましたが、値は32.2%で、まだまだわかりません。
しかし、2位以下の確率増加量はスコア増加量の割に低く、このままドリブンズを野放しにするのは、他チームにとって良くなさそうです。
ファイナル進出確率
ファイナル進出確率の推移は下のグラフの通りです。
続いて、現時点でのファイナル進出確率ランキングです。
一番右の列は、第3部*6期間中の増加量です。
順位 | チーム名 | ファイナル進出確率 | 第3部の増加量 |
---|---|---|---|
1位 | ドリブンズ | 91.6% | +17.2% |
2位 | フェニックス | 83.1% | +10.6% |
3位 | Pirates | 72.0% | +9.4% |
4位 | 麻雀格闘倶楽部 | 47.8% | -12.9% |
5位 | 雷電 | 45.0% | +1.2% |
6位 | サクラナイツ | 32.7% | -7.9% |
7位 | ABEMAS | 14.6% | -0.8% |
8位 | 風林火山 | 10.4% | -8.7% |
9位 | BEAST | 2.7% | -7.9% |
上位3チームの躍進と、4位麻雀格闘倶楽部の失速が浮き彫りになりました。
特に首位ドリブンズのファイナル進出確率は既に90%を超えており、この立場を維持できる限り優勝やレギュラー優勝に狙いを定めて戦ってもよいほどの好状況です。
2位、3位のファイナル進出確率も70%超で、このまま行けばセミファイナルは下位3チームで1つの席を争う構図になりそうです。
4位以下のチームはそれは避けるために上位陣のスコアを削りたいところですが、実際は選手入れ替え規定があるため、セミファナイル進出後のことを考えた打ち方ではなくセミファイナル進出を重視した打ち方になるでしょう。
セミファイナル進出確率
セミファイナル進出確率の推移は下のグラフの通りです。
6〜8位のグラフが縦に引き伸ばされた形をしており、1試合で10%程度上下するケースも出てきました。
続いて、現時点でのセミファイナル進出確率のランキングです。
一番右の列は、第3部*7期間中の増加量です。
順位 | チーム名 | セミファイナル進出確率 | 第3部の増加量 |
---|---|---|---|
1位 | ドリブンズ | 99.9% | +4.9% |
2位 | フェニックス | 99.3% | +5.0% |
3位 | Pirates | 97.1% | +8.2% |
4位 | 麻雀格闘倶楽部 | 84.2% | -3.4% |
5位 | 雷電 | 81.6% | +8.8% |
6位 | サクラナイツ | 67.9% | -1.4% |
7位 | ABEMAS | 35.8% | +4.2% |
8位 | 風林火山 | 26.6% | -11.5% |
9位 | BEAST | 7.8% | -14.9% |
上位3チームはもう進出確定圏にいると言ってよいでしょう。また、麻雀格闘倶楽部、雷電も進出確率80%を超えており、ここからしっかり下位に厳しく打つことができれば十分危なげなく通過できると思います。
渦中にいるのが6位サクラナイツ。上手くスコアを伸ばせず、60%台を推移しています。下位3チームの不調で事無きを得ていますが、いずれかが迫ってくる前に決着をつけたいところです。
風林火山とBEASTは大きく後退。両者とも瞬間的にスコアを増やすことはあったものの、そのチャンスを活かせませんでした。風林火山はまだ進出確率が26.6%ありますが、BEASTはその1/3以下ですから、厳しい状況です。
一方でABEMASは前進。最後の快進撃が続けば、情勢を大きく変えることができるかもしれません。
レギュラー優勝確率
今シーズンからレギュラーステージの優勝チームに賞金300万円が贈られます。
レギュラー優勝確率推移は下のグラフの通りです。
続いて、現時点でのレギュラー優勝確率のランキングです。
一番右の列は、第3部*8期間中の増加量です。
順位 | チーム名 | レギュラー優勝確率 | 第3部の増加量 |
---|---|---|---|
1位 | ドリブンズ | 59.3% | +29.5% |
2位 | フェニックス | 25.3% | -1.7% |
3位 | Pirates | 11.0% | -5.0% |
4位 | 麻雀格闘倶楽部 | 2.0% | -12.4% |
5位 | 雷電 | 1.7% | -4.1% |
6位 | サクラナイツ | 0.6% | -4.2% |
7位 | ABEMAS | 0.1% | -0.6% |
8位 | 風林火山 | 0.1% | -1.0% |
9位 | BEAST | 0.0% | -0.4% |
ドリブンズのレギュラー優勝確率が50%を超え、独走態勢に入りつつあります。
しかしそんな中、フェニックスが優勝確率25%付近を維持しており、しぶとくドリブンズの後ろを追いかけます。
Piratesは一時20%弱をマークしていましたが、最後の2連続逆連対が響き、最終的には11.0%となりました。
4位以下のレギュラー優勝は厳しめです。特に麻雀格闘倶楽部は第3部だけで12.4%も落としてしまい、優勝争いからドロップしてしまいました。
個人成績
選手それぞれの個人成績は下表のとおりです。
VPAは「その選手が対局した試合で自チームの優勝確率をどれだけ増やしたか」を表します。
これは自チームの優勝への貢献度を表す数字であると言えます。
同様に、FPA、SPAは、自チームのファイナル進出、セミファイナル進出への貢献度です。
今負けが混んでて数値が低い選手もいますが、シーズン最終盤の「勝てば進出、負ければ敗退」という大一番で勝てば一発でプラスに転じる、そんな指標です。
そのため、選手の実力というより、その選手が「持っていた」かを表す指標であると言えます。
自チームのセミファイナル進出に最も貢献した選手は、サクラナイツ・渋川難波選手で、SPAは+22.3%です。
今季、崖っぷちの6位に居るチームを救うトップを何度も獲得している渋川選手がSPAを大きくしているのは納得の結果です。
渋川選手よりも個人スコアが高い5選手は、いずれもセミファイナル進出確実圏の上位チームに所属しており、勝っても自チームのセミファイナル進出確率が殆ど増えないので、SPAはそれほど大きくなりませんでした。
自チームのファイナル進出に最も貢献した選手は、フェニックス・竹内元太選手で、FPAは+25.3%です。
竹内選手は個人スコアがトップですから、順当な結果です。
自チームの優勝に最も貢献した選手も、フェニックス・竹内元太選手で、VPAは+11.1%です。
これも順当な結果と言えますが、レギュラーのスコアはファイナル進出時には1/4に圧縮されるので、レギュラーで勝っても貢献度はそこまで大きくなりません。
表には載せていませんが、レギュラー優勝に最も貢献した選手もフェニックス・竹内元太選手で、RVPAは+25.8%です。
直近の4連トップでフェニックスのレギュラー優勝確率を合計20.2%も押し上げ、ドリブンズの独走に待ったをかけています。
試合の重要度(IMP)
「試合の重要度(以下、IMP)」とは、「ある試合で、あるチームの、優勝確率*9がどれほど変動するか」を確率の変動量の分散(のような値)で表した値です。
優勝確率が変動しやすい(=IMPが大きい)ほど、そのチームが優勝するためにその試合が重要であると言えます。
詳しい説明は下記記事をご覧ください。
第3部までの試合のIMPは次のグラフの通りです。
現段階で優勝やファイナル進出のために重要な試合はそうそう現れないので、IMP for Semifinalに限定して記述します。
このグラフはある試合が、あるチームのセミファイナル進出のためにどれほど重要であるかを表しています。
例えば第105試合はサクラナイツ(S)と風林火山(E)のIMPが大きいので、「第105試合はサクラナイツや風林火山がセミファイナルに進出するために重要な試合」だと言えます。
第106試合のIMPもほぼ同じ値なので、同様のことが言えます。
「重要な試合」とは「セミファイナル進出確率が大きく変動しやすい試合」のことを指します。
例えば第105試合にトップ(+57.7 pt)を獲ったフェニックス(F)*13のセミファイナル進出確率は0.7%しか増えませんでしたが、第106試合にトップ(+61.7 pt)を獲ったサクラナイツのセミファイナル進出確率は7.9%も増えました。
このように、IMPが大きいチームはセミファイナル進出確率が増えたり減ったりしやすいです。
さて、IMP for Semifinalのグラフを見てみましょう。
チームごとに見ると、サクラナイツ、風林火山、ABEMASのIMPが大きく、セミファイナル進出をかけて緊迫した状況が続いています。
最下位BEASTのIMPが小さいのは、1試合勝ってもセミファイナル進出確率があまり大きくならないほど厳しい状況だからです。8回裏6点ビハインドでソロホームランを打ってもあんま意味ないのと同じです。ここからコツコツ勝ちを積み重ねて進出争いに食い込めれば、IMPも大きくなるでしょう。
全体を見ると上位チームのIMPが小さく、IMPの合計値はやや減少傾向にあります。
普通IMPの合計値はレギュラー残り試合数が少なくなるにつれて増加していくのでこれは珍しいです。
例年よりも上下の差が開いており、下位3チームが沈んでいることで、セミファイナル進出確率が変動しにくいことが原因だと思われます。
ちなみに……
この記事でお見せしたグラフや表のデータは全てスプレッドシートで公開しています。
スプシでは第3部終了時点のデータだけでなく、各試合終了時点ごとの数値がまとめられています。
スプシのリンクはこの記事にあるので、是非見てみてください。
以上です。ではでは。
*1:「-47.2/+64.8/+2.7/-20.3」みたいな4つの数字の組
*2:終局時の持ち点。「12800/44800/22700/19700」みたいな数字の組。
*3:平均25000、分散(17132.33)^2)。分散の値は、Mリーグ成績速報(非公式)さんの次のツイートから拝借しました。https://x.com/mleague_results/status/1832579337431982208
*4:2024/11/18〜2024/12/17(#73〜#108)
*5:2024/11/18〜2024/12/17
*6:2024/11/18〜2024/12/17
*7:2024/11/18〜2024/12/17
*8:2024/11/18〜2024/12/17
*13:IMPは非常に小さい